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オノ・ヨーコ「SMILE」
12月 6日(月) - 23日(木)
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「スマイル」展について
2010年9月、ベルリンで開催された展覧会で披露された《スマイル》は、オノ・ヨーコによる新作です。その後、本作は東京でも紹介されることになりました。
来場者の笑顔を撮影すると同時に、その映像がギャラリーの壁にプロジェクションされます。集められた無数の笑顔が連なり、繰り返し映し出されるインスタレーション空間がつくり出されます。
このプロジェクトが世界のどこかで行われている場所は、きっと平和な社会であるはずです。そして、この取り組みが世界のさまざまな地で継続することを願っています。
〈印刷物〉 オフセット、120 × 120 mm、専用封筒入り
〈展覧会ポスター〉 無作為に選ばれた異なる年齢の4名の男性のポートレートによるポスター。オフセット、380 × 380 mm
〈配布物〉展覧会期間中、参加者には撮影したポートレートをプリントし、白い立方体の紙箱の底に貼ったボックスを記念品としてお渡ししました。
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テキスト:ジョン・ヘンドリックス
1968年、オノ・ヨーコは自身の映像作品《スマイル》について次のように記しています。
「昨年、私は世界中のすべての人が微笑む顔を集めて《スマイル・フィルム》をつくりたいと思いました。しかし、技術的にいくつかの明らかな困難があり、この計画は美しい想像上の作品のひとつとして残されることになりました。」
40年以上の時を経て、オノ・ヨーコは1967年に構想した《スマイル・フィルム》の特別版を制作する機会を得ました。
《スマイル》のアイデアは、初期から続くオノの重要なテーマであり、1968年にはジョン・レノンの微笑みをハイスピードカメラで撮影した52分間の映像作品《SMILE》が制作されています。この映像は通常速度で上映され、近年では六本木ヒルズ・森タワーでも紹介されました。同時期に制作された銀色の小箱《A Box of Smile》では、蓋を開けると底に貼られた鏡に鑑賞者自身の顔が映り、微笑みが返されるという作品です。
2010年に制作され、オノ自身も参加した《SMILE》は、彼女が1967年に思い描いたコンセプトが実現したものと言えるでしょう。鑑賞者それぞれが自分の笑顔を撮影するよう呼びかけられ、その笑顔は絶え間なく映像に加えられ、広がり続けていきます。